失敗しない!ラミネートベニアの選び方7選
最終更新日 2024年6月6日
監修:アメリカ審美歯科学会認定医、歯学博士 椿 知之

プロが教えるラミネートベニアの種類と選び方<2024年度版>
ラミネートベニア

歯を白くきれいにする方法としてラミネートベニアがあります。ラミネートベニアは歯を削る量を最小限にして歯を白くすることができます。ラミネートベニアはどのような歯にできるのか?何を基準に選んだほうがいいのか疑問ではありませんか?このコラムではラミネートベニアができる人、できない人、ラミネートベニアの選び方を解説します。

目次

1.ラミネートベニアとは

2.ラミネートベニアの歴史

3.ラミネートベニアの方法

4.ラミネートベニアの種類

5.各種ラミネートベニアのメリット、デメリット

6.ラミネートベニアの費用相場

7.ラミネートベニアの選び方

8.まとめ

1.ラミネートベニアとは

ラミネートベニア(Laminate Veneer)は歯を0.3mm~1.0mm程度薄く削ってその厚み分のセラミックのベニアを接着する技術です。変色歯の色を改善するための方法で、歯を削る量を最小限にすることができます。原則歯の大きさや形、歯並びを大きく変えることはできません。

ラミネートベニアとは

出典:Porcelain Laminate Veneers: A Case Report
Long-Term Survival and Complication Rates of Porcelain Laminate Veneers in Clinical Studies: A Systematic Review



2.ラミネートベニアの歴史

ラミネートベニアの原型は1920年ころにハリウッドの撮影用に考案されました。実用化されたのは1990年ころにNYの審美歯科医であるDr.Irwin Smigel が変色歯の患者さんに薄いセラミックを貼って改善したことが始まりです。それまでは歯を白くするために歯の神経を取り、大きく削ってセラミックを被せる方法が一般的でした。この技術はすぐに日本にも伝わり、一気に広まりました。



3.ラミネートベニアの方法

ラミネートベニアの手順は下記の通りです

1.歯を薄く削る
▼
2.型どり
▼
3.ラミネートベニアの製作
▼
4.試適(トライイン)
▼
5.接着
▼
5.メンテナンス

ラミネートベニアの方法



4.ラミネートベニアの種類

4-1 クラシカルラミネートベニア(ラミネートベニア)
オーソドックスなラミネートベニアです。歯を薄く削ってその厚み分のセラミックを貼ります。プレスタイプのセラミックやジルコニアセラミック、ハイブリッドセラミック(硬質樹脂)を使用します

クラシカルラミネートベニア

ティースアートのラミネートベニア


4-2 ノンプレップラミネートベニア(ノンプレップベニア)
いわゆる削らないラミネートベニアです。歯を削らないため、若干の厚みが出ます。プレスタイプのセラミックやジルコニアセラミック、ハイブリッドセラミック(硬質樹脂)を使用します

セラミックスカルプチャー


4-3 マニキュア
歯を削らずに歯に直接樹脂を塗って歯を白くします。歯を削らずに樹脂を塗るため、若干の厚みが出ます。硬質樹脂を使用します

マニキュア

マニキュアバナー



5.各種ラミネートベニアのメリット、デメリット

5-1 ラミネートベニア
5-1-1 ラミネートベニアのメリット
・歯を薄く削りその厚みだけセラミックになるため、歯の厚みは変わらない
・セラミックの色が調整しやすい
・歯を削るため接着力が高い
・接着剤の変色の影響が比較的少ない

5-1-2 ラミネートベニアのデメッリット
・歯を削る必要がある
・歯を削る際に麻酔が必要な場合がある
・歯を削るためラミネートベニアを外しても元の歯に戻らない
・一部が欠けた場合でもすべてのやり替えが必要


5-2 ノンプレップベニア
5-2-1 ノンプレップベニアのメリット
・歯を削らずにセラミックにすることができる
・ベニアをきれいに外せば元の歯に戻すことができる
・クラシカルラミネートベニアより安価

5-2-1 ノンプレップベニアのデメリット
・若干厚みが出る
・一部が欠けた場合でもすべてのやり替えが必要
・経年的に接着剤が変色してくるとベニアの色に影響し、やり替えが必要

※接着剤の変色は施術後2年くらいから徐々に起こることが報告されています


5-3 マニキュア
5-3-1 マニキュアのメリット
・歯を削らずに歯を真っ白にすることができる
・歯に直接樹脂を塗るため、1日で完了する
・マニキュアを外せば元の歯に戻すことができる
・何度でも繰り返し施術が可能
・一部が欠けた場合はその部分だけの修理が可能
・最も安価
5-3-2 マニキュアのデメリット
・マニキュア自体に徐々に変色や着色が起こる
・歯の形や大きさを変えることができない
・一回の施術時間が長い



6.ラミネートベニアの費用相場

6-1 ラミネートベニア
1本あたり10万円~20万円

6-2 ノンプレップベニア
セラミック製 1本あたり4万円~10万円

硬質樹脂製  1本あたり3万円~5万円

6-3 マニキュア
1本あたり1万円~2万円



7.ラミネートベニアの選び方

7-1 歯の神経の有無で選ぶ
ラミネートベニアは原則、神経を取った歯には行いません。これは神経の部分が空洞になっていることと、歯が変色する可能性があるためです。神経がない歯は土台を入れて被せるタイプのセラミッククラウンが推奨されます。ノンプレップベニアやマニキュアは神経がない歯でも施術可能です。

歯の神経の有無で選ぶ

神経がない歯を白くする方法

7-2 歯の色で選ぶ
テトラサイクリン歯など元の歯の色が濃い場合、歯を削らないタイプのベニアやマニキュアは歯の色が透けてしまう可能性があるため、若干の厚みが出てしまいます。厚みを出さずに真っ白にするにはクラシカルなラミネートベニアのほうがいいでしょう。

歯の色で選ぶ

テトラサイクリン歯を白くする方法

7-3 歯並びで選ぶ
ラミネートベニア、ノンプレップベニア、マニキュアは歯並びや歯の形を大きく変えることはできませんが、歯と歯の若干の隙間や歯の凹みなどをカバーすることは可能です。ただし出ている歯を引っ込めることはできません。

歯並びで選ぶ

7-4 かみ合わせで選ぶ
ラミネートベニアは歯の表面に接着剤でセラミックなどを貼り付ける方法です。接着剤で接着していますので、強い力が加わると外れたり、欠けたりする可能性があります。歯ぎしりや食いしばりがある方はマウスピースを装着していただくか、セラミッククラウンをお勧めします。

かみ合わせで選ぶ

7-5 材質で選ぶ
ラミネートベニアとノンプレップベニアは材質を選ぶことができます。一般的には透明感の高いプレスタイプのセラミックを使用しますが、強度の高いジルコニアや安価なハイブリッドセラミックを選ぶこともできます。ただしジルコニアはプレスセラミックに比べて接着力が弱いため、かみ合わせによっては使用できない場合があります。

材質で選ぶ

7-6 費用で選ぶ
ラミネートベニアは歯を削る工程と仮歯を入れる必要があるため、費用は高くなります。最も安価なのは歯に直接塗って仕上げるマニキュアです。費用に関しては6.を参照してください。

費用で選ぶ

7-7 歯科医師で選ぶ
ラミネートベニアは一般的な歯科治療ではないため、審美歯科を標榜している歯科医院での施術をお勧めします。特に日本歯科審美学会の認定医なら安心してラミネートベニアを受けることができます。

日本歯科審美学会認定医


歯科医師で選ぶ

※ラミネートベニアの脱落について

ラミネートベニアは接着剤で歯に貼るだけですので、被せるタイプのセラミックに比べて外れてしまう可能性はあります。そのため噛み合わせの調整は慎重に行います。以前は接着剤の精度があまりよくなかったため、外れてしまうことがありましたが、接着剤の精度が向上した現在はほとんど外れることはありません。ただしジルコニア製のラミネートベニアはプレスタイプや樹脂製のベニアに比べて接着力は弱くなります。



8.まとめ

ラミネートベニアは歯をほとんど削らずに真っ白にすることができます。ホワイトニングで白くならない歯などにはラミネートベニアやマニキュアが最適です。それぞれのメリット、デメリットを理解した上でご利用ください。


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