最終更新日 2024年9月15日
監修:アメリカ審美歯科学会認定医、歯学博士 椿 知之
監修:アメリカ審美歯科学会認定医、歯学博士 椿 知之
テトラサイクリン変色歯を歯を削らずに白くする方法教えます!<2024年度版>
生まれつき歯の色が茶色やオレンジ色、灰色をしていたり、歯に横じまやツートンカラーになっている歯はお子様の時に飲んだ抗生物質が原因で歯が変色している場合があります。テトラサイクリン歯は通常のホワイトニングでは白くなりません。テトラサイクリン歯は白くできないと諦めていませんか?このコラムではテトラサイクリン変色歯の原因から分類、歯を削らずに白くする方法、予防方法まで解説します。
目次
1.テトラサイクリン
1-1 テトラサイクリンとは
1-2 テトラサイクリン歯の原因
1-3 テトラサイクリン歯の特徴
1-4 テトラサイクリン系抗生物質の種類と歯の色
1-5 テトラサイクリン歯の分類
2.テトラサイクリン変色歯を白くする方法
2-1 ホワイトニング
2-2 ブライトホワイト
2-3 ホームホワイトニング
2-4 デュアルホワイトニング
2-5 パーマネントマニキュア
2-6 ダイレクトボンディング
2-7 ホワイトスカルプチャー、セラミックスカルプチャー
2-8 ラミネートベニア
3.テトラサイクリン歯の予防法
4.まとめ
1.テトラサイクリン
1-1 テトラサイクリンとは
1-2 テトラサイクリン歯の原因
1-3 テトラサイクリン歯の特徴
1-4 テトラサイクリン系抗生物質の種類と歯の色
1-5 テトラサイクリン歯の分類
2.テトラサイクリン変色歯を白くする方法
2-1 ホワイトニング
2-2 ブライトホワイト
2-3 ホームホワイトニング
2-4 デュアルホワイトニング
2-5 パーマネントマニキュア
2-6 ダイレクトボンディング
2-7 ホワイトスカルプチャー、セラミックスカルプチャー
2-8 ラミネートベニア
3.テトラサイクリン歯の予防法
4.まとめ
1.テトラサイクリン
1-1 テトラサイクリンとは
テトラサイクリンとはテトラサイクリン系抗生物質の総称で、妊娠後期~幼少期に服用すると歯の象牙質や骨に沈着します。テトラサイクリン系抗生物質は風邪薬のシロップとして一般に使用されていましたが、歯に対する副作用が1962年に初めて報告されてから最近では妊婦や幼児への使用が控えられています。
しかし現在の20代後半から40代までは、幼少期に服用した人が多く、歯に薄い黄色の縞模様が認められる人が多いのが現状です。最近では2004年にマイコプラズマ肺炎が流行したことでテトラサイクリン系の抗生物質が多用されました。現在でも呼吸器疾患や、皮膚疾患にテトラサイクリン系の抗生物質が使用されることがあります。
日本内科学会
Tetracycline (National Library of medicine)
1-2 テトラサイクリン歯の原因
歯の形成期(0~6歳)頃にテトラサイクリン系の抗生物質を服用すると象牙質や骨に着色を起こし、容易に除去することができません。この色は紫外線によって濃くなるため、生えたての歯は着色がなくても、数年で色が濃くなってきます。特に光が当たる前歯の色が目立ちます。
Tetracycline Teeth Staining: Causes, Treatment and Prevention
1-3 テトラサイクリン歯の特徴
テトラサイクリンの変色は、歯の内部の象牙質にグレー、オレンジ、茶色、黄色などの着色を起こすため、歯磨きでは白くすることはできません。またホワイトニングでも色の濃い場合や歯の根元の着色は白くすることがかなり難しくなります。テトラサイクリンを服用した時期によって着色の位置が異なり、前歯から6歳臼歯に左右対称的に現れます。
テトラサイクリンを服用した時期によって着色の位置が異なり、前歯から6歳臼歯に左右対称的に現れます。
0~3歳ころに服用すると、前歯の先端部~中央部分に着色します。
3~6歳ころに服用すると、前歯の中央部分~根元付近に着色します。
0~6歳ころまで継続的に服用すると、前歯全体が着色します。
※テトラサイクリンを長期間継続して服用した場合は、ツートンや層状に着色しますが、服用期間が短い場合は帯状に着色します。
1-4 テトラサイクリン系抗生物質の種類と歯の色
テトラサイクリン系抗生物質には多くの種類があり、それぞれ歯に着色する色が違ってきます。飲んだテトラサイクリン系抗生物質の名前がわかれば、歯に着色する色が分かります。
クロールテトラサイクリン 灰色がかった茶色
オキシテトラサイクリン 黄色~茶色がかった黄色
テトラサイクリンHCL 黄色~茶色がかった黄色
ジメチルクロールテトラサイクリン 黄色~茶色がかった黄色
ミノサイクリン 薄い黄色~青味がかった灰色、灰色
ドキシサイクリン 無色
その他変色の弱いもの ロリテトラサイクリン
変色の強いもの アミノメチルサイクリン、グリシルサイクリン
他にもデモクロサイクリン、リムサイクリン、メタサイクリン、ティゲサイクリンなどがあります。
Tetracycline (National Library of medicine)
1-5 テトラサイクリン歯の分類
テトラサイクリン変色歯の変色度合いは4段階に分類されます。ご自分の歯がどの段階になるかを鏡で確認して、下記の改善方法を参考にしてください。※日本ではファインマンの分類が多く紹介されていますが、世界的にはテトラサイクリンの分類が一般的です。
Classification (Jordan and Boksman 1984).
2.テトラサイクリン変色歯を白くする方法
2-1 ホワイトニング
しかし、色が濃い場合や、縞などがある場合、根元の着色などは白くできない場合があります。
またテトラサイクリン変色歯は一般的に、ホワイトニングで白くなりにくく、白くなっても色戻りしやすい性質があります。
メリット
・歯を削らずに白くすることができます。
デメリット
・ホワイトニングは一時的に歯にしみる場合があります。
・大きな虫歯や歯周病がある場合はホワイトニングができない場合があります。
・ホワイトニング直後は歯に着色しやすいため酸性の食品や色の濃い食べ物は避けてください。
・光線アレルギーがある方は光を使用したホワイトニングができない場合があります。
・白さを維持するには定期的なメンテナンスが必要です。
2-1-1 色による効果の違い
・薄黄色の場合ホワイトニングで白くすることができます。歯に縞がある場合は縞の部分が白くなりにくいため、一時的に目立ちますが、ホワイトニングを続けて行うことで、ほとんど目立たなくなってきます。
・薄いグレーの場合
ホワイトニングで白くすることができますが、真白ではなく、グレー系の白さになります。
ブライトホワイト1回(20分×3クール)後
・濃いグレーや縞、グラデーションがある場合
グレーの色や縞の部分が薄くなってくる程度で、一般的に均一に白くすることが難しい歯です。
ホームホワイトニングやデュアルホワイトニングで長時間、長期間ホワイトニングを行うことで色を薄くすることはできますが、可能ならマニキュアやセラミックをお勧めします。
ブライトホワイト1回(20分×3クール)後
・ホワイトニングは歯にしみる可能性があります。
・ホワイトニングの効果には個人差があります。
・テトラサイクリンによる変色が強い場合、ホワイトニングでは白くならない場合があります。
・縞の部分や歯の根元の著色、歯の色がかなり濃い場合は白くなりにくい場合があります。
・テトラサイクリンの変色は白くなりにくく、色戻りも早い傾向にあリます。
・ホワイトニングで白くした歯は、時間とともに色戻りがあります。
・ホワイトニングは色戻りがあります。直後の白さを保つために半年~1年に1回程度のメンテナンスをお勧めします。
2-1-2 ホワイトニングで白くなりにくい歯
1.歯の根元に着色がある歯2.ツートンになっている歯
3.縞模様がある歯
2-2 ブライトホワイト
通常のオフィスホワイトニングではあまり白くすることはできませんが、NASAの元科学者が開発したブライトホワイトですと、テトラサイクリンでもある程度白くすることができる場合があります。特に薄黄色の場合や縞が薄い場合は、ブライトホワイトでかなり白くする事ができます。
費用 1回60,000~70,000円
期間 1日
全体的に均一に着色している場合
※写真はブライトホワイト2の1回(15分×4クール)の施術写真です
・ブライトホワイト2は歯にしみる可能性があります。
・ブライトホワイト2の効果には個人差があります。
・テトラサイクリンの変色は白くなりにくく、色戻りも早い傾向にあリます。
・白さを保つために早めのメンテナンスをお勧めいたします。
・テトラサイクリンによる変色は1回ではご希望の白さにならない場合がございます。
黄色系で縞が薄い場合
写真はブライトホワイトの1回(20分×3クール)後の施術写真です
ブライトホワイト注意事項
・ブライトホワイトは歯にしみる可能性があります。
・ブライトホワイトの効果には個人差があります。
・縞の部分や歯の根元の著色、歯の色がかなり濃い場合は白くなりにくい場合があります。
・テトラサイクリンの色が茶色やオレンジ、グレー等の場合、その色が薄くなり、真っ白にはなりません。
・テトラサイクリンの変色は白くなりにくく、色戻りも早い傾向にあリます。白さを保つために早めのメンテナンスをお勧めいたします。
・テトラサイクリンによる変色は1回ではご希望の白さにならない場合があります。
※ブライトホワイトに使用する機械は歯面漂白用加熱装置として認可されています。
※ブライトホワイトに使用する薬剤はアメリカ食品医薬品局(FDA)の認可を受けています。国内未承認品ですが、重大なリスクは明らかになっていません。
※ブライトホワイトに使用する薬剤は国内に同一の成分、性能を有する製品がないため、厚生労働省へ薬監申請を行い、輸入許可を受けて個人輸入をしています。
詳しくはhttps://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/healthhazard/をご覧ください。
ブライトホワイト よくある質問
ブライトホワイトがLEONに紹介されました
2-3 ホームホワイトニング
低濃度のホームホワイトニングを長時間、長期間行うことで、徐々に白くすることができます。歯に縞がある場合は縞の部分が白くなりにくいため途中一時的に目立ちますが、ホームホワイトニングを続けて行うことで、ほとんど目立たなくなってきます。
費用 2~5万円
期間 1~数年
メリット
・ホームホワイトニングは歯を削らずに白くすることができます。
・ホームホワイトニングを長期間行うことで色の濃い着色も改善できる可能性があります。
デメリット
・ホームホワイトニングは歯にしみる可能性があります。
・大きな虫歯や歯周病がある場合はホームホワイトニングができない場合があります。
・ホワイトニング直後は歯に着色しやすいため、酸性の食品や色の濃い食べ物は避けてください。
・マウスピースを使用しますので、マウスピースが装着できない方はホームホワイトニングができません。
・白さを維持するには定期的なメンテナンスが必要です。
ホームホワイトニング
2-4 デュアルホワイトニング
通常のホワイトニングだけではテトラサイクリンによる変色は白くすることはできません。オフィスホワイトニングの後に、ホームホワイトニングを併用することによって、ホワイトニングでもある程度白くすることができます。歯に縞がある場合は縞の部分が白くなりにくいため途中一時的に目立ちますが、ホワイトニングを続けて行うことで、ほとんど目立たなくなってきます。
費用 オフィスホワイトニング+ホームホワイトニングの費用
期間 1~数か月
メリット
・ホームホワイトニングは歯を削らずに白くすることができます。
・ホームホワイトニングを長期間行うことで色の濃い着色も改善できる可能性があります。
デメリット
・ホワイトニングは歯にしみる可能性があります。
・大きな虫歯や歯周病がある場合はデュアルホワイトニングができない場合があります。
・ホワイトニング直後は歯に着色しやすいため酸性の食品や色の濃い食べ物は避けてください。
・ホームホワイトニングにマウスピースを使用しますので、マウスピースができない方はデュアルホワイトニングができません。
・白さを維持するには定期的なメンテナンスが必要です。
・オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用するため、高額になってしまいます。
ティースホワイトニング10分×3回+10%ホームホワイトニング2週間
・ホワイトニングは歯にしみる可能性があります。
・ホワイトニングの効果には個人差があります。
・テトラサイクリンによる変色が強い場合、デュアルホワイトニングでも十分に白くならない場合があります。
・ホワイトニングで白くした歯は、時間とともに色戻りがあります。
・ホワイトニングは時間とともに色戻りがあります。直後の白さを保つために半年~1年に1回程度のメンテナンスをお勧めします。
各種ホワイトニングメニュー
2-5 パーマネントマニキュア
費用 9,000円~19,000円
期間 1日
メリット
・歯を削らずに1回で確実に白くすることができます。
デメリット
・アクリルにアレルギーがある方はマニキュアができません。
・パーマネントマニキュアは歯を削らずに樹脂を塗って白くするため、若干の厚みが出てしまいます。
・エナメル質より着色しやすいため、クリーニングなど定期的なメンテナンスが必要です。
・完全に外す際には専用の器具を使用して外す必要があります。その際に歯の表面をポリッシングします。
マニキュアのよくある質問
2-6 ダイレクトボンディング
費用 4~7万円
期間 1日
メリット
・確実に白くすることができます。
デメリット
・エナメル質を1~1.5㎜程度削る必要があります。
・アクリルにアレルギーがある方はダイレクトボンディングができません。
・エナメル質より着色しやすいため、クリーニングなど定期的なメンテナンスが必要です。
ダイレクトボンディングページ
2-7 ホワイトスカルプチャー、セラミックスカルプチャー
歯を削らずに樹脂製やセラミック製の薄いシェルを歯に貼ります。歯を削らずに白くすることができますが、スカルプチャーを外す際に歯を一層削る必要があります。
費用 樹脂製で3万~5万、セラミック製で3万~10万円
期間 2~3回
メリット
・歯を削らずに確実に白くすることができます。
デメリット
・歯を削らないため、若干の厚みが出ます。
・アクリルにアレルギーがある方はホワイトスカルプチャーができません。
・ホワイトスカルプチャーはエナメル質より着色しやすいため、クリーニングなど定期的なメンテナンスが必要です。
・接着剤が変色するため数年で白さが低下してきます。
・噛み合わせの調整など定期的なメンテナンスが必要です。
スカルプチャーページ
2-8 ラミネートベニア
費用 10~20万円
期間 2回
メリット
・確実に白くすることができます。
デメリット
・歯を薄く削る必要があります。
・原則、神経がない歯には向きません。
・歯ぎしりやくいしばりによって、欠けたり、はずれたりする可能性があります。
・歯と歯の隙間が大きい場合、ラミネートベニアの幅が大きくなりバランスが悪くなる可能性があります。
・ラミネートベニアをした歯がしばらくしみる可能性があります。
・ほかの方法に比べて費用が高額になります。
ラミネートベニア
3.テトラサイクリン歯の予防法
なお成人してからテトラサイクリン系の抗生物質を服用しても歯に影響はありません。
4.まとめ
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監修 Dr.TSUBAKI (椿 知之) アメリカ審美歯科学会認定医、歯学博士 プロフィール アメリカ審美歯科学会(ASDA)認定医、フェロー 日本歯科審美学会 常任理事、認定医、 日本アンチエイジング歯科学会 常任理事、認定医 |
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