ー知っておきたい歯のケア常識Aー









   

      皆さんは歯をどうやって磨いているでしょうか? 誰かに教わったのだと思いますが、ご両親
    に教わった方やかかりつけの歯医者さんに教わった方、友達に聞いたという方などさまざまだと
    思います。要はきれいに磨ければ何でもよいのですが、それが難しいのです。ではどうすればき
    れいに磨けるのでしょうか。残念ながら自分だけで100%きれいに磨くことはほとんど不可能です
    よく磨けている人で80%くらい、磨けていない人だとなんと30%以下。
    「磨いている」のと「磨けている」とは違うのです。 
     例えば一日3回しっかり磨いていてもなぜか虫歯になってしまう人、茶渋やヤニがついてしまうと
    いう人、結構多いのではないでしょうか。これは磨き残しがあるためです。一日3回同じ所ばかり
    磨いていたら磨いている箇所はきれいですが磨けていないところは何年も歯磨きしていないのと
    同じ状態になっているのです。これでは虫歯になっても不思議ではありませんよね。



    「3,3,3の法則」
    
      ひと昔前には食事の後一日3回3分以内に3分間磨きなさいといういわゆる「3,3,3の法則」
     いうものが推奨されていました。現在では研究が進み、虫歯ができるにはある程度の「時間」が
     必要で短時間では虫歯にならないということがわかってきたため、この3,3,3の法則が覆され
     てきています。一日3回雑に磨くのであれば一日1回でも丁寧に磨くことが推奨されています(も
     ちろん3回丁寧に磨くのであればそれに越したことはありませんが)。「3分以内」という表現は最
     近では「食後なるべく早く」に変わってきました。歯は口の中が酸性(pH5.5以下)になるとカルシ
     ウムが溶け出してしまいます。食事の後は口の中が酸性になり、そのままにしておくと30分くら
     いは酸性の状態が続き虫歯が発生しやすくなるため、なるべく早く歯ブラシをした方がカルシウ
     ムの溶け出し(脱灰)を最小限に防げるのです。口の中が中性に戻ってくるときれいな歯の表 
     面には、唾液の中にあるカルシウムが再び歯に沈着する''再石灰化''という作用がおこり酸性
     の時に失われたカルシウムを補うことができます。日常、口の中ではこの''脱灰''と''再石灰化''と
     いう現象が交互に起こっていますが、口の中の酸性の時間が長いとカルシウムが戻りきれず 
     虫歯になってしまうというわけです。最後に時間ですが3分に限らずしっかり磨けていれば1分で
     もいいと思います(ただし総入れ歯に近い人以外は自分の歯を1分でしっかり磨くことは不可能
     に近いと思いますが)。要は時間に限らず丁寧に100%磨くつもりで磨いてもらえばいいのです。


     ただ、自分の歯を100%磨くのは歯科医師や歯科衛生士でもとても難しいことです(人の歯を
     100%磨いてあげることはできるのですが)。やはりプロによる定期的なチェックや歯の掃除は
     必要なのですね。



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