[内側からくる変色]
加齢変化 歯の内側から黄色くなる原因の多くは加齢による変色です。歯には半透明のエナメル質の内
側に象牙質という黄色い層があるのですが、さらにこの内側を歯の神経と血管が通っていま す。生えたての歯の象牙質は淡いクリーム色をしているのですが、肌の老化と同じで新陳代謝 により年々この色が濃くなってきてしまいます。またエナメル質も毎日の歯磨きや歯軋り、毎日 の食事などで薄くなり内側の象牙質の色が強くなってきてしまいます。この二つの相互作用に より歯の色が黄色くなってくるのです。また、紫外線によっても歯の色が濃くなることがありま す。年齢とは関係なく歯の神経をとってしまったり神経が死んでしまったりした場合でも象牙質 が茶色に変色してきます。これは歯に栄養が行き渡らなくなったためで、一種の老化現象とい えます。歯を白くすることはつまりアンチエイジングということです。 抗生物質(テトラサイクリン) テトラサイクリンという抗生剤によっても象牙質の色が変色します。永久歯の象牙質ができて
くる乳児から7歳くらいの間にこの薬を長期間飲むと象牙質に色素が沈着してしまい歯の色が かなり濃くなったり歯に縞模様ができたりします。色は薬の種類によってグレーや茶色、オレン ジ色などさまざま。いずれにしても色が濃い場合には歯のクリーニングやホワイトニングだけで は白くする事が難しい場合があります。この他にも全身疾患によって歯の色が変わってしまう ことがあります。
フッ素
エナメル質の形成期に多量のフッ素を摂取すると、歯に白い斑点ができたり、一部分が茶褐色 に変色することがあります。この白斑はホワイトニングを行うことによって逆に目立ってしまう場合 があり注意が必要です。軽い場合はホワイトニングで改善できますが、白斑が大きい場合や茶褐 色が強い場合にはホワイトニングで白くならないことがあります。 (「宝塚斑状歯訴訟」) [外側からくる変色]
次に歯の外側から起こる変色の原因を挙げてみましょう。まず、なんと言っても飲食による
歯への着色がNo.1です。タバコはもちろん、コーヒー、紅茶、ウーロン茶、赤ワイン、コーラなど の飲み物、カレーなど香辛料の強い食べ物、チョコレートなど日常口にしているものでも色素が 歯についてしまいます。また、口紅も注意が必要です。 (「食べてはいけない食品一覧」 「歯を白くする食品」) その他では虫歯によるもの があります。初期虫歯は白くにごった色になり、表面がざらざらしてきます。表面だけの初期虫 歯であればティースポリッシングによってきれいにすることができますが、さらに進行すると茶 褐色や黒っぽくなってきます。こうなってくると虫歯を削って詰めなければなりません。そうなる 前にお手入れをしてきれいな歯を保つことが大切です。また、虫歯の治療で詰めた金属が原 因で黒っぽくなってくることがあります。この場合は原因となっている金属をはずし、黒くなって しまった部分をすべて削り取り白い材料で詰めなおす必要があります。これら虫歯が原因で起 こってしまった変色には残念ながらホワイトニングの効果がありません。歯を白くする場合には これらの治療を済ませてからホワイトニングに移ります。
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